ZAMAKURI LAB / CHAPTER 1-02 / 初級

AIに最初に任せる仕事、任せない仕事

AIにできることが増えるほど、最初の一歩は迷います。 私が実際に遠回りして分かったのは、「できる仕事」と「任せる価値がある仕事」は同じではない、ということでした。

できることが多すぎて、最初が決まらない

AIを使い始めると、文章、画像、調査、自動化と、次々にできそうなことが出てきます。 私も、思いつくたびに「これはできるかい」とAIへ相談しました。

まず可能かどうかを聞く使い方は便利です。 公開情報を集める調査や、いわゆるスクレイピングのような情報収集も、検討の入口になります。

ただし、「仕組みとして可能です」という返事は、今の自分に任せるべきだという答えではありません。 調整や確認まで含めて、人の負担が本当に減るかを見る必要があります。

まずは、自分で答え合わせできる仕事から

私が最初に勧めたいのは、結果を自分で確認でき、採用する前に止められる仕事です。

  • 公開情報を調べ、確認する候補を並べる
  • 自分のメモを要点と次の行動に分ける
  • 文章の下書きを作る
  • チェックリストを作る
  • 一つの案から別の案を広げる

文章なら、AIに八割ほどの土台を作ってもらう感覚で使っています。 これは品質の点数ではなく、私の作業分担の目安です。

残りは自分で読み、事実を確かめ、自分の経験と言葉を足します。 AIの文章をそのまま出すのではなく、自分が責任を持てる形まで直して完成です。

価格の案を出してもらうこともありますが、あくまで参考です。 植物は実物の姿、大きさ、品質を見て、市場の様子も観察した方が、最後は人が速く、納得できる価格を決められます。

自動化できても、得とは限らなかった

私は、繰り返し行う報告作業をAIで自動化しようとしたことがあります。 うまく動いた時は、同じ作業を何度も行う負担が大きく減りました。

けれど、完成までの調整には約三日かかりました。 不要な場所まで変わったり、画像の位置が何度直してもずれたりしたからです。

その仕組みを完成後に再利用できたのは、今のところ一回です。 私のこの事例では、最初にかけた手間をまだ回収できていません。

そこで、全部を自動化する考えをやめました。 写真の分類や決まった形式への入力はAIへ任せる候補にし、画像の配置は手で行う方が速い場合もある、と分けて考えています。

AIを使うこと自体を目的にすると、ここを見失います。 可能かどうかだけでなく、調整時間、使う回数、確認と修正の量まで含めて選ぶのが大切です。

人が手放さない範囲

公開・送信・購入・削除など影響の大きい操作は、AIの判断だけで実行しません。 顧客情報、契約、会計、健康に関する判断や、その他の非公開情報を扱う仕事も、人が入力範囲、実行許可、最終判断を管理します。

三つの条件で、安全な一作業を選ぶ

最初に任せる仕事は、次の三つがそろうものから選びます。

CHECK 1

確認しやすい

自分で正誤を確かめられる。出典や実物と照合できる。

CHECK 2

元に戻せる

失敗しても、公開・送信・購入・削除の前に止めて直せる。

CHECK 3

秘密を渡さなくてよい

個人情報や非公開情報を入力せずに試せる。

AIへたくさん任せることがゴールではありません。 使う価値があるかを仕事ごとに判断し、人の経験と責任を残すことが大切です。

今日の小ネタ

三分で、仕事を一つだけ選ぶ

今日やることを三つ、紙やメモアプリに書きます。 それぞれに「確認しやすい」「元に戻せる」「秘密が不要」の三条件で、○・△・×を付けてください。

三つとも○になった仕事を一つだけ、AIへ相談します。 たとえば、個人情報を含まない自分のメモを「要点・次にすること・未確認」に分けてもらうところから始められます。

いきなり実行を任せず、まず「この作業は、どこまで手伝えますか」と聞いてみる。 小さく試し、自分で答え合わせできれば、それが十分な一歩です。